今回訪問した主目的は、永谷園のお茶漬けあられの製造元であり、また亀田の『海苔ピー』の海苔巻きあられの開発元であるSMTC社の工場の実態と、何故このように長い間売れ続ける製品が出来たか、その理由と製造の現場を確かめるために訪問した。
広く知られるように、この工場は三菱商事51%、タイ側キャピタルライス社49%の合弁会社であり、この工場を立ち上げたのは長豊堂出身、元カノムサコール社工場長の藤田和則氏(同国のフエスコも同氏の立ち上げであった)であり、氏のお茶漬けあられ製造の技術が台湾から始まり、タイ国の三工場を渡り歩いたことになる。
タイ米の特質と同国の製造事情を熟知した藤田氏の技術指導とキャピタルライス社側の原料、労働者管理及び三菱商事の販売力など相まって、SMTC社は発足以来、順調に発展して来た。特に亀田製菓の出資と技術者派遣などを契機に、飛躍的に製品の品質が向上して、結果前述の海苔ピーのヒットにつながって来た。
タイ国産のあられは日本国内では売れない、売れても価格志向の商品が主流で定番的商品は無理だと言う日本側業界の評価を元から崩したこの亀田製菓の功績は誠に大きい。その理由はいろいろあるが、第一に挙げられることは、やはりその品質、美味しさであろう。特に海苔を手巻きすると言う工程が、この製品をこの様に長期間売れ続けさせていると言うことに、業界として留意しなければならないのではないか。
だがこのSMTC社も問題が無いわけではなく、亀田製菓の中国工場の立ち上げに伴う、タイ国から中国への米菓生産のシフト問題があり、加えて中国での旺旺、徳盛など競合米菓メーカーの急台頭など、販売先争奪戦は世界的規模で始まっており、原料米価格、労務費、気温も含む立地問題などでハンデイのあるSMTC社に代表されるタイ国の米菓工場の今後が注目されるところである。
しかしながら、中国での米菓生産にも原料米の残留農薬問題、生産管理、安定的品質などまだ問題が無いわけではなく、中国の米菓が日本国内でタイ国産米菓並みの信頼(業界及び消費者からの)を得るためには、まだある程度の時間を要するのではないか。その点では、タイ国の米菓産業は既に30年以上の時間的経緯があり、信頼性と言う点では、日本国内で三菱商事がサポートするSMTC社の持つそれは他に比べようも無く高いのではないか。
今回、組合活動とは外れかも知れないが、参加企業の代表者の皆さんには、自社の製品開発のソースとして、このSMTC社を活用されたら如何だろうと言う提案を行った。日本側加工工場と協力してこのSMTC社の原料を使って商品開発されることは、組合員各企業にとっても一定の必要性と必然性がある訳で、そう言った情報と機会の提供を(研修会に参加されていない組合員企業に対しえも)行うことも、組合活動のひとつとして認めて行くべきではないだろうか。 |