平成22年度の国内景気の動向は、物価が供給超過の下で、マイナス幅が縮小するものの緩やかな下落が続き、失業率は高止まります。国政では政権交代により、景気浮揚策として、子育て、雇用、環境、科学、技術などの大型予算の取組みがあり、国内総生産の実質成長率は、1.4%(名目0.4%増)程度と3年ぶりのプラス成長が見込まれている。しかし、先行きのリスクとして、雇用情勢の一層の悪化、デフレ圧力の高まりによる需要低迷、海外景気の下振れ、為替市場の動向等に留意する必要があります。
これら錯綜する経済状況下で、菓子卸を取り巻く情勢は、寡占化していく小売業の営利要求圧力や卸業同士の競争の激化、大手メーカーの取引制度変更などにより、厳しい経営が続いております。
こうした状況下で、菓子卸業界は、価格政策、取引問題、卸間の過剰競争、PB・SBのシェアー拡大など薄利傾向にある市場への的確な対応を行うとともに、キメ細かな卸機能強化、人材育成、商・物情報ネットワークによる営業力の増強等一層の企業体質の強化が必要になっています。
当連合会としては、組合活動の範囲を超越することなく、取引き問題の改善へ流通委員会が、WT(流通問題改善ワーキングチーム)の総意を実現に向けて進め、消費の低迷へ需要喚起対策委員会が生販一体となって取組んでいる広域プロモーションや地域キャンペーン等のキメ細かな菓子の需要喚起対策に努め、菓子市場の一層の活性化を狙います。また、業界の情報標準化には、総合システム委員会が、生販一体となって「e−お菓子ねっと」の機能強化と普及推進に努めて、流通の効率化向上を目指し、望ましい流通を確保し得るための方策を図ります。
なお、毎年継続して行っている菓子統一伝票・統一バインダー等の効率化共同事業拡大への取り組みも行います。
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